ビジネス通訳|日英・日中・英中:つぶやき NEWS
日本と違い、土地価格以外にも土葬が消えつつの理由がありました。それは「お墓参り」の面倒さの違いです。
沖縄と同様に台湾の伝統的なお墓は小さな丘みたいに隆起している大きい墓で、小さな家屋や倉庫並みのものもあります。それを年一回決まった「清明節」に墓周りの草刈りしたり、たまった埃やゴミを取り除かなければいけません。結構の労力です。
昔はその都度親戚一族が集まり、大勢で協力しあって掃除していたわけですが、現代社会ではなかなかそれが難儀なことは多くあります。核家族化や親戚付き合いの疎遠(家族とも疎遠)に、国際化による移動距離(海外へ転勤や移住する家族など)などの理由で継続的にその習慣を守り続けられなくなってきたわけです。
それに対する解決案は新しい葬儀サービスの一環として現れました。日本と同様に亡くなった方の供養をはじめ、先祖代々の供養も全部まとめて半永久的に代理で行ってくれる業者や組織が市場に出ました。これはまた大層な規模で台湾ではこれらの業界に関わっている業者は裏社会とつないでいるとの噂も存在しています(笑)。
私のお祖母は 4 年前に他界したのですが、両親も兄も私もみんな海外在住なので結局業者に委託したわけです。供養塔はまさに高級マンションと同様な仕組みで、うちのお祖母はペントハウス並みの最上層の住人というわけです(笑笑)。
塔のロビーは西方浄土の豪華絢爛を思わせる立派な作りとなっていて、その上に受付の階があり、そこにサービスカウンターやお供え物を置く場所などのスペースとなっています。
ビジネス通訳|中国語通訳:台湾の供養塔の入り口と設計
台湾のお供え物は料理と同様に日本よりずっとボリューミーで数も多いです。特に旧正月前や「清明節」などのラッシュ時期は、いつもと違い亡くなった先祖や方々にご馳走を奢らないといけません。そんなわけでとても壮観です。日本人が見たら絶句するのではないかと思います。
「紙錢(金紙)」(あの世で使われる紙幣)は無論のこと、今では紙で作られた高級ブランド靴や腕時計、洋服や iPhone までなんでも揃っています。これらは最終的にあの世に送るための専用窯で燃やされるわけですが、その他には実物の飲食物と供花も用意しなければいけません。自分で用意するのは面倒くださいならば、事前に受付に申し込めば用意してくれます。
ビジネス通訳|英語通訳:台湾のお供え物とその由来 |
飲食物を持ち帰る人もいますが、最近は業者が用意してくれるものをそのまま置いておくのが多いようです。まさかそのまま誰にも食べられずに処理(捨て)されるのか?と母に聞いてみたが「いや、多分孤児院や助けを必要される方々に配るのではないか」と答えてくれました。そうであってほしいです。
台湾では神様との通信には赤い三日月型をした木片を投げて神様の回答を確認するわけですが、亡くなった(あの世の)方々との通信には小銭を使うそうです。それを投げて先祖に色々意思確認や質疑する方を受付の階で見かけました。
日本と違う形で台湾社会は「目に見えない世界」を暮らしとかなり近い距離感で付き合っていると言えましょう。
ビジネス通訳|日台交流:「金紙」などを燃やす専用の窯 |
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