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台湾|小吃:台南虱目魚羹

ビジネス通訳|日英中(台湾)逐次通訳:食文化・食材


虱目魚(サバヒー)は、その真っ白な白身からミルクフィッシュとも呼ばれる台湾のメジャーな養殖魚(中国語読みはスームーユー。台湾語ではサバヒー)で、台湾の食卓によく登場するのです。

Wikipedia によると『海水魚であるが、広塩性で河川のような淡水域でも生息可能』で『通常は沿岸部に生息しているが、河口部などの汽水域や、ときに河川などの淡水域に進入してくることもある』そうです。

さらに『普段は群れを作らず深いところを泳いでおり、魚網にかかることが少ないため、天然魚を目にする機会はあまりない』ため、市場などで売られているのはそのほとんどが養殖魚となっているわけです。

サバヒーと呼ばれていますが、鯖ではなく(私も鯖の系統だと誤解した時期ありました)ニシンやイワシの仲間に比較的近い魚です。

日本では馴染みないが、サバヒーは産卵期間中に台湾の南部海岸一帯などに押し寄せてくる稚魚の群が時に沖縄近海に迷い込んだ事例が報告されているそうです。もしかしたら沖縄離島の漁師たちはサバヒーを知っている(食したことがある)かもしれません。

台湾は日本と同様に海に囲まれながらもその海域のせいか、実は現地では海水魚よりも淡水魚の方が一般的な食材とされています。そして美味しいのです。一般的にこのサバヒーも台湾では淡水魚のイメージの方が強いのではないかと思います(養殖魚で品種は淡水という風に認識されています)。

台湾では魚を使って団子にしたりつみれにしたりすることは多いです。日本は昔から生魚を食べる習慣はあったので生魚を酢や塩などに浸けて保存する魚料理はあったのですが、台湾は生魚(魚だけではない、すべての生物かな)を食する文化はもともとなかったので、物資が限られいた時代背景などにしてこのように団子やつみれにする調理法や保存法がうまれたわけです。

団子とつみれの作り方は違うらしく、その工程のせいか、団子よりもつみれの方が歯ごたえよくジューシーと感じるらしいのです。私としてはサバヒーに限らず基本、団子よりもつみれの方がその素材の新鮮さや食感が伝わるような気がするのです。サバヒーの場合だとより魚っぽい食感と味覚が伝わります。

虱目魚を使った郷土料理の中では、台南名物の「虱目魚羹」は代表的な一品です。虱目魚羹(スームーユーグン)とはサバヒーのつみれが入ったとろみのあるスープのことです。写真のように澄み切った透明スープの中につみれが入っていて、生姜のみじん切りとパクチーがトッピングされています(店に頼んだら苦手なものを抜きにしてくれます)。

スープの出汁は店によってそれぞれ独自の工夫やレシピされています(つみれの手作り作法と同様)。基本非常にシンプルで素朴なさっぱり甘口のスープです。好みによってテーブルに置いてある黒い烏醋(ウスター)や甘辛ソースや白胡椒などをかけられます。

このスープに麺を入れれば「虱目魚羹麵」になり、米粉(ビーフン)を入れれば「虱目魚羹米粉」となり、さらに麺と米粉の両方が入ったものを「虱目魚羹米粉麵」と呼びます。お好みでどうぞ。ボナペティ!

台湾の食文化・食材に興味ある方へ:ご参考に ]

台湾の食文化・食材(2020年記事まとめ)は、別途 note の「食文化・食材の棚」というマガジンに保管しております。その棚(マガジン)には他にもオーストラリアの食文化・食材(2020年記事まとめ)や、他の台湾食文化・食材関連記事やレポートの抄録を置いてあります。宜しければどうぞ、そちらもお気軽にご参照ください。

日英・日中・英中通訳:台湾の食文化と食材
ビジネス通訳のブレンダ|日英・日中・英中:台南虱目魚羹

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Brenda Chen