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台湾|小吃:蜜汁火腿

ビジネス通訳|日英中(台湾)逐次通訳:食文化・食材


「蜜汁火腿(ミーズーフォートゥイ)」って食材をご存知ですか。中国語で「火腿(フォートゥイ)」とはハムの意味ですが、「蜜汁火腿」は日本で食べられているハムや、中国で一般的に食べられている「中国ハム」とは別物です。

「蜜汁火腿」は「金華火腿(ジンファーフォートゥイ)」の加工品です。「金華火腿」は中国・浙江省の金華地区で生産されるハムの一種で、日本では金華ハム(きんかハム)ともいうそうです。イタリアのプロシュット・ディ・パルマ、スペインのハモン・セラーノと並んで世界三大ハムの1つに数えられます(詳しくは Wikipedia ご参照)。

この金華火腿の製造工程は気が遠くなるほど時間のかかるものです。製造に使う豚の品種も皮が薄く脂肪が少ない特徴としている「両烏豚」に限ってるらしいです。仕込みは味噌などの保存食と同じく冬季で、まず天然塩などで豚肉を3ヶ月ほど浸けて水分を抜きます。水分が抜くことによって肉がしまり、その後は塩分を落とすために一晩水に浸してから洗い流します。それからは、肉を天日干しすることによって天然の香りを放つようになり、熟成が進みます。これで「金華火腿」が出来上がります。

この「金華火腿」をスライスして氷砂糖や蜂蜜などで作られたシロップに漬けて熟成させるのは「蜜汁火腿」です。薄くスライスした白いパンやきつね色になるまで挙げた湯葉などに挟んで食べるのが普通です。食べる直前にパン、蜜汁火腿、シロップなど一緒に 15 分ほど蒸して温めれば美味しく仕上げれます。

見た目は鮮やかな赤なので、台湾をはじめ、中国語圏ではめでたい行事によく登場する一品です。好みで一緒に挟んで食べる揚げ湯葉は「烤素方」などと呼ばれ「富貴雙方」という意味合いを兼ねています(富も地位も相互に繁盛していく:共栄というめでたい語呂です)。一口食べたら口の中から香りと味の変化が広がり、子供から大人まで愛される逸品でもあります。

私の大好物なので、今年の春節前に母と台北の伝統市場で 1セットを購入しました( NTD300台湾ドル)。別々に購入した場合は蜜汁火腿が一箱 NTD150、パン(四方餅)1パックが NTD70、揚湯葉一箱が NTD90 台湾ドルでした。手間のかかる工程を考えると 1セットが 1200円前後というのは安いような気がします。

レストランの場合、浙江料理を中心にやっているところだったら出ると思いますが、どこにでもでるような献立ではありません。もし見かけたら是非試してみてください。ハマっちゃいますよ。ボナペティ!

台湾の食文化・食材に興味ある方へ:ご参考に ]

台湾の食文化・食材(2020年記事まとめ)は、別途 note の「食文化・食材の棚」というマガジンに保管しております。その棚(マガジン)には他にもオーストラリアの食文化・食材(2020年記事まとめ)や、他の台湾食文化・食材関連記事やレポートの抄録を置いてあります。宜しければどうぞ、そちらもお気軽にご参照ください。

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Brenda Chen