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台湾|薬膳美食:『天山野生雪蓮』

ビジネス通訳|日英中(台湾)逐次通訳:食文化・食材


中国と同様、台湾は漢方薬や薬膳における歴史が長く日本よりずっと普遍的ですが薬材のほとんどがやはり同じく輸入(中国からなど)です。近年台湾では東洋医学クリニックや病院など定着してきている部分もあり、建保適応も増えてきて臨床的な場は日本よりずっと広く進んでいるが、薬材の方は違うみたいです。

どちらかというと漢方薬材製造業という観点では日本の方が国として取り組み体制はあるとされて、おそらくそれは日本の製薬会社の力によるものです。製薬会社の商品となる薬材ならば経済や政治の視野に入り、生産や薬事規制などの仕組み対象になるわけで、そして「薬膳用」という概念としての使用はまず存在していないじゃないでしょうか。

もしかすると品質上今後日本産の漢方薬材を栽培・生産する農家も増えてくるかもしれないが、それはそれで現在日本農業全般が抱えている壁や課題にぶつかるでしょう。そして日本には医療目的としての漢方薬以外の概念はまだほとんどないと思います。

台湾のように郷土料理や庶民の暮らしの中で日々の料理に漢方薬を入れる文化や習慣は日本にはまずなく、食材としての漢方薬ですが、台湾ではあまりも馴染み深く、効能を考えずにただ美味しいから食べているパターンはほとんどです。

もともと「医食同源」が東洋医学、すなわち中国の漢方薬の根本です。具体的な症状に対しての薬剤を煎じて飲む時もあれば、季節の移り変わりや身体の周期に合わせて予防医学という意味でも日々の食事や料理に取り入れている使い方も同時に存在しています。

その中でも珍しく高級品とされる薬材は色々あります。タイトルの『天山野生雪蓮』とは韓国の高麗人参よりも貴重で優れた漢方薬とされています。

「雪の蓮」と書いて、標高4000m級を超える高山や高地に生息する幻の花です。中国ではチベットの荒野で風雪に耐えて咲く花としてよく知られ、花言葉は「たくましさ」です。曲名や女性名などに使われたり、中国茶や化粧品のブランド名にも使われています。

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台湾|薬膳美食:『天山野生雪蓮』

腎臓、血流やホルモンの活性化に良いとされているので、女性の場合は生理痛や貧血症などの婦人病、男性の場合は精力増強など精力剤としても使用されています。全般的に血液浄化作用・造血作用・血行良化作用の効能があると言われているので、うっ血や腫れ解消の他に関節炎やリュウマチなどの鎮痛と炎症改善にもいいそうです。

過去には絶滅が危惧され中国から国外への持ち出しが禁止されていたこともあるそうで、アジアでは最も貴重な薬草の一つです。写真に写っているのは、母が昨年中国に行った時に購入した新疆省天山山脈の野生の「雪蓮」です。もともと雪蓮は中国歴代皇帝や重臣にしか摂取が許されない高貴なものらしいですが、現在は天山産の自生種は採取量が少なく入手も困難とのことなので、このように原種野生かつ、花のまま丸ごと一切加工せずのものは相当な高級品です。

雪蓮の摂り方は、他の薬品と混ぜずに少量摂取と勧めるところもある(酒など浸けたりして)一方、母が買ったこの商品は最初から薬膳に使うと勧めるらしく紙板にレシピが書いてありました。しかも一緒に入れて煮込むためのその他薬材パックも同封されていました。そのレシピの一つを下記します。

材料:地鶏 1羽、干し生姜、塩、黃酒、ハイビスカス、冬虫夏草、鹿茸、紅景天、当帰
製法:雪蓮を手でバラバラに千切り、ガーゼで包まれ鍋に入れ(上記の薬草とスパイスも鍋に)て1時間煮込む。

台湾の食文化・食材に興味ある方へ:ご参考に ]

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Brenda Chen