ビジネス通訳:通訳屋の珈琲備忘録(テイスティングノート)
ケニアAA(ジュピター)
<生豆産国>
ケニア
<製造者>
ジュピターコーヒー株式会社
<豆と味の特徴・水温>
パッケージを開けてまずナッツの香りがたった。豆を一口噛んで味わったところ、最初は厚みのあるナッツの味わいが浮かんで、後にツンとくる酸味。そして最後は苦味。焙煎は中煎り辺りなので、この苦味は強く出る(上手に深煎りした豆の場合はただパンチの強い原始的な苦味よりも甘みやまろやかさ、深みのある豊かな個性が出ることは多い)。
90度〜91度など、90度以上の水温でやや粗め挽きにして丁寧に淹れば、綺麗な酸味のコーヒーが楽しめる。一方、86〜88度くらいの水温で中挽きくらいにして淹れると、酸味は弱まるものの、ちゃんとした果実味が残りつつもナッツの深みとコクを体幹にした、まとまった味のコーヒーになる。そして、味にツンとした酸味も苦味がなくなったのである。
84度〜85度まで更に水温を下げれば、甘みとまろやかさのあるコーヒーに変わる。
酸味や果実味をテーマに出されたい方は、90度以上を目指し、それが苦手でコーヒーの甘みやまろやかさを抽出されたい方は、84度以下を目指すべく、そして両方を味わいたい方は、86度〜88度辺りを探れば良いのであろう。
ケニアAA(ジュピター):豆と味の特徴・水温 |
<豆挽き目安>
中挽きくらいが適宜。また、水温に合わせて調整すれば GOOD。
<淹れ方と道具>
台形型のドリッパーよりも、デフォルトの円錐形ドリッパー(例:ハリオ HARIO)で抽出した方が安定した、クリーンな味が出しやすかった。
ケニアAA(ジュピター):淹れ方と道具 |
<値段・コスパ>
1,026円(200g・税込)なので、スーパーの最安コーヒー豆やデフォルトのブレンド豆などよりワンランク上。しかも、コーヒー専門店(特に個性的なお店)の「少し良い豆」だと腕がなければ味を安定させにくい豆も少なくないのだが、このケニアAAはそこまでの腕や経験値なくても美味しく仕上げやすい類である。上記にあるように水温幅も広いし、乱暴に入れようが丁寧に入れようが、味は濃くなったり薄くなったりすることはありつつも、大きく味が乱れてテーマのわからない一杯になったり、まとまらなくなったすることはない。
[ コーヒー好きな方へ:ご参考に ]
珈琲道具アレコレ(2020年記事まとめ)や、沖縄の珈琲栽培(2020年記事まとめ)など、他のコーヒー関連記事やレポートの抄録を別途に note の「珈琲の棚」というマガジンに保管しております。宜しければどうぞ、そちらもお気軽にご参照ください。
ケニアAA(ジュピター):値段・コスパ |
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