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台湾|食材:拜拜文化と年貨(下)

ビジネス通訳|日英中(台湾)逐次通訳:食文化・食材


前回の「台湾|食材:拜拜文化と年貨(上)」に台湾のお供え物に登場する伝統食品をいくつかご紹介させていただきましたが、旧正月の春節のお参りなどは特に人が多いのでこのようにテーブルをいくつかも繋いで長いお供え台としてお寺が用意するわけです。

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台湾|食材:拜拜文化と年貨(供物)

そしてお寺が用意した赤い皿にそれぞれの家庭が持参したお供え物を置きます。春節中は混雑しているので、名札や一人目付け役をつけたりしないとお参り終わり帰宅しようとする際に自分のお供え物が誰かに取り間違えられて無くなったりすることも結構多いです。

寺参りの「拜拜」(バイバイ)の際に用意するお供え物は必ずしも食品だけではありません。上記の写真にも写っているピカピカ黄金の「金紙」(ジンズゥ)は神様やあの世に贈るお金です。あの世に贈るものは全て燃やして送り込むわけなのですが、「金紙」以外にも色々あります。

葬儀などでは一番よくみられるのは亡くなった方があの世に行っても変わらず良い暮らしが続けられるように、現世で一般的に必需品とされる物に似せた紙製ものを燃やします。昔は豪邸、車、使用人(人形)などが普遍的でしたが、今では iPhone や高級腕時計、ブランド品など色々紙で作らせて燃やしているところもあります。

それらと少し趣が違うのは「紙蓮花」です(下の写真ご参照)。

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台湾|食材:拜拜文化と年貨(紙蓮花)

このまるで千羽鶴のような壮大な折り紙オブジェクトは、蓮の花に形どったものです。観音様が立つ(もしくは座る)蓮座に由来するとされて、亡くなった方の魂を極楽浄土に引導したり、神様に捧げたりする時に燃やすものだと言われています。仏教の中では「悟り」とは生きとし生けるもの全てが持っているもので、土泥から咲く花の如くと例えられています。形を持って生まれることは土泥がつくものですが、その形を成す内に秘めているものは悟りの光であり、蓮の花のように土泥からきつつも土泥につかずです。

その話からこの「紙蓮花」が通常現世の物欲と執着を象徴するような「贈り物」ではなく、むしろ現世を生きる人々のしがらみや負的な感情と心の荷物を消すためのものとして燃やすものでもあります。物欲や執着をすて、悟りと心の平穏に近づくための祈りに燃やすものとも言えます。

折り紙なので手作りなわけですが、お寺や参拝する道なりに売っている店もあるはずです。心を込めて世の平和や自ら心の清浄を求められる場合は、自分で時間をかけてじっくり作ってはいかがですか。ネットで「摺紙蓮花」を検索すれば作り方を教えてくれる動画など色々出ます。もし手先器用でない、時間のない方はご利益を求められる時にお寺などから直接にご購入されば良いです。

お供え物以外に、台湾で「拜拜」お参りする際にもう一つ見ていただきたいのは、お寺のインテリアや装飾です。日本の神社や寺は地味ですが、台湾のお寺は彫刻や飾りにすごい凝っています。特に信者の多い、歴史の古いお寺であればあるほど壮観です。次回の台湾観光に台湾伝統食品や郷土料理のついでに是非人々の暮らしに密接している台湾の宗教信仰空間にも覗いてみてください。

[ 台湾の食文化・食材に興味ある方へ:ご参考に ]

台湾の食文化・食材(2020年記事まとめ)は、別途 note の「食文化・食材の棚」というマガジンに保管しております。その棚(マガジン)には他にもオーストラリアの食文化・食材(2020年記事まとめ)や、他の台湾食文化・食材関連記事やレポートの抄録を置いてあります。宜しければどうぞ、そちらもお気軽にご参照ください。

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Brenda Chen