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日中通訳:美容医療の世界に踏み入る。

  ビジネス通訳|英語・中国語:会議・交流


2022年の10月頃から徐々にコロナ禍になかった「対面(随行)通訳」の依頼が増えていた。

もともと「オンライン」「リモート」や「在宅」が嫌で(前職はそうだった)独立したわけなので、開業直後に起きた 3年間以上も渡るコロナ禍は非常にしんどかった。そして、3年ぶりに戻ってきた対面通訳の依頼は、飛び上がるほど嬉しかった。

偶然にも依頼者は実家のある、オーストラリアの方で一層親近感を覚えた。

メルボルン在住の中国人で日本の美容クリニックや美容院とサロンを試したくて、国際観光再開してすぐに日本に旅立つ日程を組んでみたそう。

これまでは韓国で施術を受けていらしたが、韓国の有名クリニックだと実際に手術を頼んだ医師と実際に手術を行う医師が違うらしく、患者さんが麻酔で眠っている間に患者さんにお断りなしで勝手に医師を変えられ、それで失敗して後遺症まで経験されたそうだ。

それが理由で今回は品質がいいという評判の日本にやってこられた。

しかし、通常の大手美容クリニックであれば、海外から来られるお客様が多いため、中国語のホームページをはじめ、中国語が話せるスタッフが常在するのがほとんどで、このような依頼はまずこない。

どうやら、韓国での失敗で大手に対しての不信感から、外国からのお客様はあまりお見えにならないクリニックをあえて選ばれたそうだ。そこでクリニックに「ご自身が通訳者を手配される」ことが条件だと言われたそうだ。

私は美容医療通訳どころか、美容クリニックが初めてだったため、多少な不安を抱えながら、クライアントに手術内容をヒアリングして、事前にネットで色々調べて勉強して準備した。

海外からのお客様で、しかもご本人も初めて訪ねられるクリニックだったので、当日道案内もしなければいけないと思い、前日一度クリニックと場所も確認してきた。

クリニック自体は非常に高級感あり、スタッフもしっかりされているが、やはり私が懸念していた「海外のお客様は(基本)こない」からこその問題点が出てきた。

一つ、クライアントが当然あると思っていた全身麻酔は、同じ手術でもこのクリニックはなかった(日本は局所麻酔が一般的だが、海外の方にとっては手軽な美容医療でも全身麻酔を求められるケースが多い)。全身麻酔だと専門の麻酔医が常在しなければできないので、当然、局所麻酔を受け入れる日本人のお客様しかいないクリニックならば、いない。

二つ、術後に渡す抗生物と痛み止め薬は別料金で、しかも痛み止め薬はなんと在庫切れ(マジか?)。おそらく普段あまり渡す必要のない薬(処方箋は要らないので、日本人は自分で薬局で勝手に買いやすいからか)なので、在庫があまり多くはない。

しかし、私のクライアントは痛みに対して非常に敏感だそうで、これは大きなマイナスだった。

トドメは、手術が終わりかける頃、顔の左側が施術される際に、糸を皮膚下に埋めていくための針が、耳周りの神経に触れたらしい。クライアントが非常に痛がって直ちに医師にストップをかけたが、全身麻酔でない分、いつもより痛くて不安だったろう。

手術中にずっとそばで担当医師とクライアントの意思疎通に通訳した私だが、今まで内視鏡室で内科の手術に立ち会ったことがあっても、美容外科が初めてだったので、すごく新鮮だった。ちなみに全身麻酔だと手術中は会話もないので、通訳は不要。場合によって手術室に入る必要もない。

予定通りに手術が終わったが、私のクライアントは不満だった。「全身麻酔ないなんて、非人道的だ」とおしゃっていた。海外の方からすれば、これが普通の反応だ。

オーストラリアへ帰国後にお礼のメールをくれたクライアントの話によると、その後も東京をはじめ、日本のあちこちに飛び回って「美容ツアー」を満喫されたらしい。改めて、美容外科を受けられる方の勇気に強く感心した私だった。

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随行通訳(中国語):美容医療に踏み入る

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Brenda Chen